豚汁勝手にMOVIEアワード2007(邦画編)
昨年鑑賞した映画(2007年1月〜2007年12月劇場公開、※DVD鑑賞も含む)の中で印象に残った作品10本を選出してみました(ついでに監督、主演、助演男優、主演、助演女優、新人賞なるものも、独断と偏見で5名選んでいます)。
(※2007年、私の中のNo.1の作品、監督、俳優にはそれぞれ◎を付けています)
【作品賞勝手にベスト10】 ※ 2007年12/1− 2007年12/31までを対象としました。
|  ◎第1位 「それでもボクは やってない」 | 痴漢冤罪により不当な取調べや尋問を受けた挙句、 起訴され刑事裁判の被告となってしまった青年の話。自分が痴漢をして捕まった訳ではないのに、 考えさせられてしまった。今年の映画賞を総なめ中だが、この手の作品は一度観れば十分だな… 。 本作を観ての教訓→1.電車に乗るときは両手を挙げて乗ろう。 2.痴漢もののアダルトビデオを持っている人は今すぐ捨てよう・笑。 |
|  第2位 「天然コケッコー」 | 田舎街を背景に、 方言丸出しの女子中学生の淡い初恋と成長をほのぼのとしたタッチでつづった傑作ドラマ。 なんともすがすがしい青春映画だな。今年ブレイクするであろう若手女優・ 夏帆のための作品といっても過言ではない。 ラストの終わり方も個人的に好きだ。 |
|  第3位 「恋しくて」 | 昨年末に沖縄へ行ったばかりだからか、 やっぱり南国を題材にした映画に弱い。 粟国島(ナビィの恋)、沖縄(ホテル・ハイビスカス)と来て、 本作の舞台は石垣島。 バンドを始めた高校生たちの恋と友情を描いた平凡な内容だが、何も考えずに楽しめた。 沖縄弁のせいふがまたたまらない。♪てぃー、たー、みぃー、ゆー♪ |
|  第4位 「14歳」 | 肉体的にも精神的にも未熟で不安定な時期であるがゆえに、傷つきやすく、 簡単に人を傷つけてしまう“14歳”の少年少女。そんな彼らへ対する戸惑いと恐れを感じる大人たちの距離感が、 なんとも素晴らしかった。前半は割りとダラダラしているが、ラストには胸のつかえが取れる。監督、 主演を務めた同年代の廣末哲万氏…恐るべしだ。 |
|  第5位 「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 | アニメのような非現実的なストーリーで正直訳のわからない映画だなぁと思ったが、 なんだか楽しめた。 欲を言えば主人公の妹を演じた佐津川愛美は、ラストでもっとキレてほしかった。 ところで本年度助演女優賞を独占中の永作博美の演技ってそんなに良かったかな? ちょっとやり過ぎでは(オーバーアクション演技)!? |
|  第6位 「しゃべれども しゃべれども」 | 東京の下町を舞台に、“話し方教室” を始めることになった青年落語家とそこに通うワケありの人々の人間模様を、温かな眼差しで描いたヒューマン・ ドラマ。初めは国分太一主演で大丈夫なの?と思ったが、想像以上に健闘。 八千草薫は日本(昭和)の優しいお母さんというイメージだが、このようなチャキチャキ祖母役もまた合うな。 香里奈の根暗女も役にハマっていた。 |
|  第7位 「キトキト!」 | 「ゲロッパ!」('03)「パッチギ!」 ('05)など井筒映画で助監督を務めてきた弱冠27歳の新鋭監督・吉田康弘の初監督作品。 前半は家族のドタバタ劇がメインで、後半はホロリと泣かせるありがちな展開だが、 非常に分かりやすく作っていて、楽しめた。70歳を超えたベテラン俳優・ 井川比佐志が黒いブリーフ一丁で体当たり演技(!?)を披露している。 |
|  第8位 「魂萌え!」 | 内容が良かった悪かったというより、風吹ジュンが良かった。 50半ばの女優があそこまで体を張るとは(別に脱いでないが)。個人的には「アンタって呼ぶなー」 と息子に怒鳴り散らすシーンが弱々しくて素晴らしかった。 それにしても主人公の娘を演じた常盤貴子の役って誰でもいいような…。 |
|  第9位 「スキヤキ・ウエ スタン・ジャンゴ」 | 全編英語で製作されたB級和製西部劇。平家だ源氏だと、 分かりやすい対立構造だが、こんなにも奇想天外な日本映画を観たことがあっただろうか? ふざけて作ったとしか思えない内容だが、 出演者全員(日本を代表する俳優たち)が真面目に演じているのだからスゴイ。ナンジャコラッ。 |
|  第1 0位 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 | リリー・ フランキー原作のベストセラー小説を映画化した家族ドラマ。 九州の炭鉱町から東京タワーがそびえ立つ都会で暮らし始めた青年とその母親の絆と別れを感動的に描いた作品。 平凡な内容で142分があっという間に感じられたのは、やっぱり役者の力だろう。 |
【監督賞勝手にベスト5】
|  ◎周防正行 「それでもボクは やってない」 | 現在の刑事裁判の実情を丹念に調べ演出した敏腕監督。傑作コメディー「Shall we ダンス? 」 ('96)から一転、周防監督がこんなシリアスな社会派ドラマを手掛けるとは誰が予想しただろうか 。 (1956年生まれ) |
|  中江裕司 「恋しくて」 | 南国を舞台に、人々の心の交流を撮り続けてきたが、 今回は演技未経験の少年少女を主人公に、爽やかな青春ドラマへと仕上げた。 (1960年生まれ) |
|  廣末哲万 「14歳」 | 中学生が感じる大人や社会に対しての距離感を見事に演出した。 これからの活躍が期待される新鋭監督。 (1978年生まれ) |
|  三池崇史 「スキヤキ・ウエ スタン・ジャンゴ」 | すべてが過剰な三池流演出。出演者は豪華だし、設定はめちゃくちゃだし、 何でもありというのが三池監督ならでは。(1960年生まれ) |
|  山下敦弘 「天然コケッコー」 「松ヶ根乱射事件」 | 対称的な内容の2作品を巧みに演出した期待の若手監督。近い将来、 日本映画を引っ張る1人となること間違いなし。(1976年生まれ) |
【主演男優賞勝手にベスト5】
|  内野聖陽 「あかね空」 | NHK大河の主役、私生活では結婚、父親になるなど、今最も脂がのった実力派俳優。 豆腐屋を営む京青年と凄みのあるやくざの二役を、見事に演じ分けている。 (1968年生まれ) |
|  加瀬亮 「それでもボクはやってない」 | この人ほどそこら辺にいる青年の役がハマる俳優はいないのではないか。 一部のファンから絶大な人気を獲得してきたが、本作で遂に知名度を上げた。 (1974年生まれ) |
|  オダギリジョー 「東京タワー オカンとボクと、時々、 オトン」 「転々」 | TV版大泉洋もなかなかだったが、やっぱりオダギリはうまい。 演技がうまいというより、オダギリジョーの世界観に観客を引きずり込むうまさがある。 (1976年生まれ) |
|  ◎織田裕二 「椿三十郎」 | まさか織田裕二を選ぶとは!?旧作未見& まったく期待しないで観たのが良かったのか。声のトーンを下げた重厚な演技でトヨエツを食っていた。 (1967年生まれ) |
|  廣末哲万 「14歳」 | 一言で言うと怪しい。殺人鬼にさえ見えてくる。 芝居なのかドキュメンタリーを見てるのか錯覚してしまうほど。そういえばこの人「天然コケッコー」 でもかなり怪しかった。(1978年生まれ) |
【主演女優賞勝手にベスト5】
|  大竹しのぶ 「キトキト!」 | 普通色々な役柄を演じ、演技賞を得ると、 次回作からそれ以上のものを魅せなければいけないので評価されにくくなるが、名女優・大竹の場合は違う。 すべてがやり過ぎな感じもするが、なぜか心に響く。(1957年生まれ) |
|  佐藤江梨子 「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 | 勘違いした自意識過剰のバカ女を見事に好演。 足が長い割にはガニ股で何だか変な体型に見えた。がしかし、この作品に一番貢献したのは紛れもなくサトエリだ。 (1981年生まれ) |
|  竹内結子 「サイドカーに犬」 | 清純派から汚れ役へ脱皮したと多くの主演女優賞を獲得中だが、 それほどでもないような。ゲップのシーンなども詰めがあまい。 でもラストの別れのシーンは少しホロっときました。(1980年生まれ) |
|  中谷美紀 「あかね空」 | 気がつけば日本を代表する女優へと成長。今や“不幸女” を演じさせたらこの人の右に出るものはいない。本作では少女時代と母親時代をうまく演じ分けていた。 (1976年生まれ) |
|  ◎風吹ジュン 「魂萌え!」 | 突然の夫の死をきっかけに、 自らの人生を切り開いていく平凡な中年主婦役。 自分の年齢を自覚したのか(?)、なんだか弾けていた。入浴シーンもババアなのに妙に色っぽい。 (1952年生まれ) |
【助演男優賞勝手にベスト5】
|  小日向文世 「それでもボクはやってない」 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」 | 人が良い温和なおじさんや変わった中年男をたくさん演じてきたが、今年は「それでも—」 「ALWAYS—」と悪役で光った。この人が映画賞を総なめにする日もそう遠くないはずだ。 (1954年生まれ) |
| 佐藤浩市 「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」 「天然コケッコー」「愛の流刑地」 | 寡黙でコワモテな中年男役がピタリとハマっていたが、 今年は気が小さく卑怯な親玉役で際立った存在感を発揮した。ここ数年、日本映画をリードしている俳優の1人。 (1960年生まれ) |
|  正名僕蔵 「それでもボクはやってない」
| 前半の裁判官を演じた“大人計画”出身の俳優。チョイ役ながら、 その淡々とした落ち着いた演技で芸達者ぶりをアピール。今後の活躍が楽しみだ。 (1970年生まれ) |
|  ◎三浦友和 「松ヶ乱射事件」 「転々」 | 山口百恵とコンビを組んでいた頃は、完全な二枚目路線だったが、 最近ではトボけた中年オヤジ役で笑いを誘っている。本年度キネマ旬報&ブルーリボン賞で助演男優賞を受賞。 (1952年生まれ) |
|  役所広司 「それでもボクはやってない」 | 弁護士特有の難しい台詞にも違和感を感じないし、 突然声を荒げるシーンなどもまた威圧感がある。近年は海外にも力を注いでいる。(1956年生まれ) |
【助演女優賞勝手にベスト5】
|  ◎内田也哉子 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 | 本格的な映画出演は初めてらしいが、母親譲りの表現力はさすがの一言! 古いんだけど決してダサくないその独特の佇まいが素晴らしかった。(1976年生まれ) |
|  川越美和 「松ヶ根乱射事件」 | 車に跳ねられた謎のイカレ女を怪演。「時間ですよ」から約20年… まさか全裸をさらけ出す個性派女優になるとは!? (1973年生まれ) |
|  木村佳乃 「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」 「さくらん」 | 清楚で爽やかなイメージだったが、今年は「スキヤキ—」「さくらん」 と蓮っ葉な女役で観客を魅了。女優としての成長を遂げている。(1976年生まれ) |
|  葉月里緒菜 「叫」 | プライベートでのスキャンダルも手伝ってか、陰のある役が本当に似合う。 白い肌や無表情など…作品にリアリティーを与えていた。(1975年生まれ) |
|  宮本信子 「眉山 びざん」 | 故伊丹十三監督急逝後の初の映画出演作。あれから10年かぁ。 この10年映画に出てないなんて勿体なさ過ぎる。(1945年生まれ) |
【新人男優賞勝手にベスト5】
|  東里翔斗 「恋しくて」 | 応募総数3500人の中から、主人公に抜擢されたシンデレラボーイ。 飾り気のない男子高校生を魅力的に演じた。いやー自分もまだまだ若いが、高校生って甘酸っぱいよな。 (1988年生まれ) |
|  今井悠貴 「パッチギ LOVE&PEASE」 | 難病を抱えた主人公アンソンの息子役。 引きのシーンでも涙を流すプロ根性。 恐るべし子役だ。何だか酷評されてる「パッチギ!」続編だが、 私的には普通に楽しめた。 (1998年生まれ) |
|  一太郎 「椿三十郎」 | 今作が映画初出演。ことあるごとに三十郎にたてつく若侍をコミカルに表現。 顔面演技に注目。(1980年生まれ) |
|  高良健吾 「M」 | 東京国際映画祭の日本映画・ ある視点部門で特別賞を受賞した期待の若手俳優。 鋭い眼差しが印象的だった。 (1987年生まれ) |
|  ◎林遣都 「バッテリー」 | 野球を通して仲間たちとの絆を深めていく天才少年ピッチャー役。少年時代特有のナイーブさがうまく表現されていた。 野球を通して仲間たちとの絆を深めていく天才少年ピッチャー役。少年時代特有のナイーブさがうまく表現されていた。(1990年生まれ) |
【新人賞勝手にベスト5】
|  夏帆 「天然コケッコー」 | 純朴な田舎の女子中学生をキュートに好演。本当に東京都出身なの? と思うほど田舎娘色に染まっていた。批評とはまったく関係ないが双子の弟がいるらしい。 (1991年生まれ) |
|  小池彩夢 「さくらん」 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」 | 「さくらん」の土屋アンナ演じる主人公の少女時代といい、「ALWAYS—」 の事業に失敗した親戚の娘役といい、演技の感性が抜群。平成の“ツンデレ女王”とはあなたのことだ。 (1995年生まれ) |
|  成海凛子 「あしたの私のつくり方」 | いじめられるのが怖くて自分を偽りクラスメートと交流を図るヒロイン役。 ラストの長回しで、テレビ電話から友人に自分の思いを告白、号泣するシーンは、大女優のオーラさえ漂っていた。 (1992年生まれ) |
|  ◎山入端佳美 「恋しくて」 | 演技未経験ながら、 等身大の少女を自然体で好演。その愛くるしい笑顔と沖縄弁にやられてしまった。 (1990年生まれ) |
|  吉高由里子 「転々」 | 本来なら昨年の新人賞勝手にベスト5に選出したかったのだが、つい最近 「紀子の食卓」('06)を観たため、「転々」で今年の扱いに。 この年で独自のスタイルを確立しているのだからすごい 。(1988年生まれ) |
※ 2007年に鑑賞した邦画は(2007年1/1−2007年12/31公開) 、「愛の流刑地」 「あかね空」 「明日の私のつくり方」 「M」「ALWAYS 続・三丁目の夕日」「キサラギ」 「キトキト!」「恋しくて」「サイドカーに犬」「さくらん」 「叫」 「しゃべれども しゃべれども」 「14歳」「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」「象の背中」 「それでもボクはやってない」 「大日本人」 「魂萌え! 」「椿三十郎」 「天然コケッコー」「転々」 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 「どろろ」「パッチギ Love&Pease」 「バッテリー」 「眉山 びざん」「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」 「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「舞妓Haaaan!!!」 「松ヶ根乱射事件」 です。
※「サッド ヴァケイション」「夕凪の国 桜の街」「河童のクゥと夏休み」「クワイエットルームにようこそ」 「自虐の詩」「めがね」「ミッドナイト イーグル」「愛の予感」「グミ・チョコレート・パイン」ほかは未見です。